先週も「毎年検診でレントゲン写真を撮っているが自覚症状も無く要精密検査を指摘された」という方が来られました。胸部CTを撮ってみると
右側の心臓の近くに長径3〜4cmと
その上に1cm程の塊がありました。
血液検査で癌反応のCEAは70台(正常値は5以下)!
正面では
横から診ると
丁度、肺が「心臓の影」になる様な場所です。手術ができるとしたら右肺の全部を摘出する事になりそうですが左肺に比べて右肺は容積が大きく手術後の呼吸困難が予測されます。手術できなければ放射線や化学免疫療法ですが救命率はいずれにしても極端に低くなります。
癌に罹る方は胃・大腸・乳が多いですが死者「数」は肺癌が最多(手術できるケースは僅か1/3)です。肺癌の早期発見にCTは「必須」です。検診を診る側は「見える範囲」は問題ないの考えで診られる方は「年に1回のレントゲンを撮っているので安心」の考えです。どんな名医でも癌が写っていなければ診断はできません。CTだと一般の方でも「簡単」に発見ができます。
この方も「一年前」の検診で見つかれば「簡単」に救命(紹介先の造影CTでは癌が太い血管を巻き込んでいました)できたと思われます・・・https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/info/lc_ctscan/index.html
この方曰く
15年ほど前に私が奥さんの膵癌を発見したそうです。
残念な結果でしたが・・・
膵癌の早期発見も困難です。